Hardware Access/ja
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概要
このページはLazarusでハードウェアデバイスにアクセスを行うためのチュートリアルです。ここにはISA、PCI、USB、パラレルポート、シリアルポートの各デバイスについて書かれていますが、完全ではありません。
ハードウェアデバイスへのアクセスはFree PascalランタイムライブラリやLCLをもってしても完全な移植性をもつことはできません。このチュートリアルは多くのプラットホームに適用できるハードウェアへアクセスの手法の基本的な部分をカバーします。コードを違った環境でコンパイルするためには以下のような条件付きコンパイルが必要となるでしょう。
uses
Classes, SysUtils, LResources, Forms, Controls, Graphics, Dialogs, ExtCtrls,
{$IFDEF WIN32}
Windows;
{$ENDIF}
{$IFDEF Unix}
ports;
{$ENDIF}
x86プロセッサ上で動作するMac OS Xでのハードウェアアクセスが可能かどうかは現時点では不明です。
パラレルおよびシリアル接続
ISAカード、PCIカードおよびパラレルポートでの通信ではコンピュータはパラレルプロトコルを使用します。シリアルポートやUSBデバイスではシリアルプロトコルを使用します。このようにプロトコルを使い分けるのは、プロセッサやプログラミング言語はすべてデータにパラレルでアプローチするため、より簡単にするためにプロトコルはソフトウェア側で実装してやる必要があるのです。 例えばあなたがInteger変数にアクセスする時、それは一つのコマンドで行う事ができます。しかしそれは連続した手順によって一度に一ビットずつデータを取得しているだけなのです。ですから、その断片化したデータをくっつけてやる必要があります。
シリアル通信を直接行う事は難しいですが、仮実装されたコンポーネントを使用する事により簡単に行う事もできます。また、ハードウェア側ではそれすらできないので、多くの場合それを実行するのに特化した装置が必要であり、ICやマイクロコントローラを使用する必要があります。
ハードウェアアクセスプロトコルの簡潔な比較を以下に提示します。
速度 | 実装の難易度 | |
---|---|---|
シリアルポート | 非常に遅い (< E5 bit/s) | 普通 |
パラレルポート | 遅い (~ E6 bit/s) | 簡単 |
ISAカード | 普通 (~ E7 bit/s) | 普通 |
USB | 普通 (~ E7 bit/s) | 難しい |
PCIカード | 非常に速い (> E9 bit/s) | 非常に難しい |
パラレル通信
Windows上でinpout32.dllを使用する
Windowsではハードウェアデバイスへのアクセスを行う手順に9x系とNT系では違いがあります。9x系(95,98,Me)ではプログラムはDOSのように直接ハードウェアに対してアクセスすることができます。NT系(Windows NT,2000,XP)ではそのような方法は使えません。すべてのハードウェアポートはデバイスドライバによって通信する事ができます。これはセキュリティ上の問題からそうなっていますが、ドライバを作るためには時間とお金が必要で小さいプロジェクトは難しいでしょう。
しかし、幸せな事にこの問題を解決するライブラリがあります。WIndowsNTが検出されるとそれはHWInterface.sysカーネルデバイスドライバを解凍して、インストールします。Window9xが検出されると、それはハードウェアデバイスにアクセスするのに単にアセンブラオペコードを使用します。
でもそのライブラリをどうやって使ったらいいのでしょうか?簡単です!このライブラリはInp32とOut32という2つの関数しか持っていませんし、その使用は非常に直感的です。
ライブラリを動的にロードすると、関数は次のように定義されます
type
TInp32 = function(Address: ShortInt): ShortInt; stdcall;
TOut32 = procedure(Address: ShortInt; Data: ShortInt); stdcall;
- Address represents the address of the port you desire to access
- Out32 sends Data to the port you specify by Address
- Inp32 returns a byte from the port you specify by Address
わたしたちはこれでライブラリをロードする事ができます。あなたのプログラムのメインフォームのOnCreateメソッドのような場所でこれを実行する事が可能です:
type
TMyForm = class(TForm)
.........
private
{ private declarations }
Inpout32: THandle;
Inp32: TInp32;
Out32: TOut32;
.........
implementation
.........
procedure TMyForm.FormCreate(Sender: TObject);
begin
{$IFDEF WIN32}
Inpout32 := LoadLibrary('inpout32.dll');
if (Inpout32 <> 0) then
begin
// needs overtyping, plain Delphi's @Inp32 = GetProc... leads to compile errors
Inp32 := TInp32(GetProcAddress(Inpout32, 'Inp32'));
if (@Inp32 = nil) then Caption := 'Error';
Out32 := TOut32(GetProcAddress(Inpout32, 'Out32'));
if (@Out32 = nil) then Caption := 'Error';
end
else Caption := 'Error';
{$ENDIF}
end;
もしOnCreateでライブラリをロードしたなら、OnDestroyでアンロードする事を忘れないで下さい:
procedure TMyForm.FormDestroy(Sender: TObject);
begin
{$IFDEF WIN32}
FreeLibrary(Inpout32);
{$ENDIF}
end;
これはInp32関数を使う単純な例です:
{$IFDEF WIN32}
myLabel.Caption := IntToStr(Inp32($0220));
{$ENDIF}
このコードはカスタムISAカードのポート$0200と、WindowsXP上のLazarus 0.9.10でテストされました。もちろんこのコードを実行するためにはuses節にWindowsが必要です。また、自分のアプリケーションと同じディレクトリに"input32.dll"も必要です。
このホームページのライブラリはこちら: www.logix4u.net/inpout32.htm
Linuxでiopermを使用する
Linuxでハードウェアにアクセスする最適な方法はThroughtデバイスドライバを使用することですが、ドライバを作成するタスクは複雑なので整理されたメソッドを使えば楽にそれを行うことができます。
あなたのLinuxプログラム上で "ports" ユニットを呼び出すためにはrootで実行する必要があり、またIOPermを呼び出すためにはポートにアクセスするための権限が必要です。 あなたは"ports"ユニットについての情報をここで手に入れることができます。
最初にやることは、(g)libcをリンクして、IOPermをコールすることです。すべての(g)libc(の関数)にリンクするユニットは、free pascal上にありますが、このユニットをアプリケーションから直接リンクすることは問題をひきおこします。(g)libcライブラリ全体を静的リンクをおこなう、ということはあまり良い方法とはいえません、なぜなら、それはバージョンの間で、しばしば変更されるからです。iopermといった関数はしかしながら、変更することはあまりないと思います。
{$IFDEF Linux}
function ioperm(from: Cardinal; num: Cardinal; turn_on: Integer): Integer; cdecl; external 'libc';
{$ENDIF}
- "from" はアクセスする最初のポートを指定します。
- "num" は最初のポートから何ポートアクセスするかを指定します。
たとえば、ioperm($220, 8, 1)はプログラムに$220から$227までのアクセス権限を与えます。
IOPermをリンクしたあとで、ポートにアクセスするために、port[<Address>]配列を使うことができます。
{$IFDEF Linux}
i := ioperm($220, 8, 1);
port[$220] := $00;
myLabel.Caption := 'ioperm: ' + IntToStr(i);
i := Integer(port[$220]);
myOtherLabel.Caption := 'response: ' + IntToStr(i);
{$ENDIF}
このコードは、Mandriva Linux 2005とDamn Small Linux 1.5上で、Lazarus 0.9.10を使って、自作のISAカードで$0220にアクセスしてテストしました。
一般的なUNIXでのハードウエアアクセス
{$IFDEF Unix} Uses Clib; // retrieve libc library name. {$ENDIF} {$IFDEF Unix} function ioperm(from: Cardinal; num: Cardinal; turn_on: Integer): Integer; cdecl; external clib; {$ENDIF}
注意 FPCはin unit x86で"fpioperm"よ呼ばれる抽象的な機構を提供しています。そして、入出力機能を定義しています。 これらの関数はx86で動作するLinuxとFreeBSDで実装されています。
配布と関数のポータビリティのため、必要な抽象化なしにlibcをリンクすることは推奨されていません。libcの手動リンク(つまり、どこからでも使えるように、libcをad hoc宣言をする方法)をおこなうことは推奨されません。
(e.g. the above libc import line will unnecessarily fail if the standard C lib is not called libc, like e.g. libroot on BeOS, or on platforms with a non standard C symbol mangling). 訳注:うまいこと訳せないので、和訳せず、そのままのこしておきます。)
注意2 _unit_ libcを使うことはどんな状況下でもKylixの互換性の点では推奨されません。このユニットは相対的にポータブルではないからです。(due to excessive exposure of structures and other private symbols)
そして、Kylixの互換性の問題からは、なるべく少なく変更すべきです。
シリアル通信
外部リンクセクションにUNIXとWindowsのシリアルポートチュートリアルがあります。
外部リンク
通信プロトコルスピードの比較:
- http://en.wikipedia.org/wiki/Serial_port#Speed
- http://www.lvr.com/jansfaq.htm - Jan Axelson's Parallel Port FAQ
- http://en.wikipedia.org/wiki/USB#Transfer_Speed
- http://en.wikipedia.org/wiki/PCI#Conventional_PCI_bus_specifications
シリアル通信のリンク:
- On UNIX: [1]
- On Windows: http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/dnfiles/html/msdn_serial.asp
- Synaser component: http://synapse.ararat.cz/
ISA デジタルオシロスコープ - 全ソースが含まれるハードウエアのアクセス例: